91日目
例えば、日本で「革命家」と言えば、誰になるんでしょうか。 私なりに考えてみましたが、 高校時代の「世界史」専攻を理由にしたりして、諦めました。分かりません、誰ですか。 世界には、革命の数だけ、革命家がいます。 キューバといえば、共産主義指導者のフィデル・カストロ、それからチェ・ゲバラ。 革命家は肖像画になります。 とりわけ、チェ・ゲバラはTシャツでもよく見かけます。 時たま、日本でも見かけますが、 あれを着てる人は、ちゃんと彼の思想を分かっているんでしょうか。 そしてさらには、革命家は神格化されたりもして、概して国民から愛されます。 トルコにも、国民から愛される、英雄がいます。 名前は、「ムスタファ=ケマル=アタチュルク」 |
トルコ共和国の建国者であり、 「アタチュルクがいなければ、今のトルコはない」と言われています。 第一次世界大戦の終戦後、 連合国側に分割される運命だったのですが、 その窮地を救ったのがアタチュルクです。 抵抗軍の指導者となり、 後にトルコ共和国の初代大統領になりました。 アタチュルクは、いわゆる独裁的に西欧化、脱イスラム国家を目指し、 トルコ語の表記を、アラビア文字からラテン文字に変える文字改革を行い、 宗教色の強い男性のトルコ帽や、 女性のスカーフの着用にも、断固として抵抗しました。 そしてアタチュルクが、 連合国側の占領に対する抵抗運動を始めたのが、 1919年5月19日です。 そんな訳で、今日は祝日です。 |
アタチュルクがどれほどトルコ人にとって重要な人物であるか、 トルコを訪れれば、きっと知らされるでしょう。 とりわけ日本で、のほほんと暮らしていた私には、 一人の人間に対する敬愛の念に、畏怖を感じます。
至るところ・・・本当に至るところに肖像画、銅像を見かけます。 学校はもちろんのこと、警察の事務室、キャンパス内、 ロカンタの壁、床屋、公園などなど・・・・。 学校や通りの名前にも「アタチュルク」の名前を冠していたり、 トルコの紙幣、貨幣はすべて彼の肖像画が描かれています。 トルコ人のアタチュルクに対する敬愛の念は、ほんとうに、ほんとうにすごいです。 ちなみに現在トルコでは、アクセスポイントによっては、「YOU TUBE」が閲覧できません。 理由は、アタチュルクを侮蔑する動画がアップされたためです。 こういった対処からも、トルコのアタチュルクに対する感情が窺い知ることができます。 さらに言うと、「アタチュルク」とは、トルコ語で「トルコの父」という意味です。 これは、トルコ人が全員、苗字をもつようにアタチュルクが「苗字法」を施行したときに、 大国民議会から彼に送られた、苗字です。 アタチュルクに対する歴史的批判、もちろん色々とあります。 個人的な意見は・・・・、やめときます。 しかしアタチュルクなくしては、今のトルコがないであろうことは、 疑いようのない周知の事実だと、思われます。 |