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220日目

「伝説」

今日は、ヴァン湖に浮かぶ「アクダマル島」へ向かいました。

小さな島には、アルメニア教会があります。

 船着場についてみると、私を含めて客は4人。

船代は、10人以上だと割安になるそうで、

6人来い来い♪と待ってましたが、結局私の後には誰も来なくて、4人で島へ。 

外壁のレリーフや、壁画もとても保存状態がよく、見ごたえがあります。 

この「アクダマル島」には伝説があります。

私が大学1年生のときに講義で扱った話なのでかなり、うろ覚えです。

むかし、むかし。

ヴァン湖に浮かぶ小さな島にある教会に、神父が1人と、その娘が暮らしていました。

娘はたいそう綺麗で、多くの若者から結婚を申し込まれていましたが、

彼女の父である神父は非常に嫉妬深く、相手がどんなに高い身分であっても、

娘が嫁ぐことを許しませんでした。

そんなある日、島に魚を取りにやってきた1人の若い漁師と娘は惹かれあってしまいます。

嫉妬深い父に見つからないように、二人は夜にだけ島で会う約束をしました。 

それ以来夜になると娘は、対岸から泳いでくる若者の為に、

島の浜から灯りをともして、若者が泳いでくるのを待ち、夜な夜な若者と交際を続けました。

しかし、この事実を知った神父は、

ある嵐の夜に、若者が泳いでくるのを知りつつ、浜辺で灯りをともしました。

対岸から灯りを見つけた若者は、「娘が呼んでいる」と思い、灯りを目指して泳ぎだしました。

ところが、神父は若者が泳いでいる途中で、灯りを消してしまったのです。

荒れる海の中、目標を失った若者は、娘の名前を叫びました。

娘の名前は、「タマル」

「嗚呼!タマル、どうして灯りを消したんだ」

部屋にいたタマルは、若者の声を聞き外に飛び出しました。

しかし、時すでに遅く、高い波に飲まれて若者の声は消えてしまい、彼女は彼の死を悟りました。

彼なくしては生きられないと、タマルも嵐の海に身を投げてしまいました。

と、いうギリシャ悲劇みたいな話がヴァンに残っています。

もうお分かりでしょうが、アクダマル島の由来は、「嗚呼!タマル」だそうです。

おしまい。 

私以外の、3人は友達同士で市内から車で来たそうで、

私がバスで市内まで戻るつもりだと話すと、

私達も市内だから乗っていけと、乗せてくれました。

ほんとうに毎日、人々から親切を頂いています。