気になる温度
“食べ物にはあまねく適温が存在する”と平生より一考しています。
甘味は体温近くが一番甘く感じるそうです。(40℃付近)
これは溶けたアイスクリームが一層に甘く感じる所以です。
(ところで無糖アイスクリームがコンビニに並んだら買います)
塩味と苦味は温度が低いほど強く感じるそうです。
味噌汁は冷めるとしょっぱくなり、ビールは冷えると苦味が増します。
冷めたゴーヤチャンプルーがとりわけ苦いのはそういう訳です。
(では、なぜ日本海より太平洋の海水がしょっぱいのか、それはきっと塩分濃度の差です)
とどのつまり、料理には個々に”美味しい”と感じる温度が存在しています。
そして食卓に並んだ時点の料理の温度を考慮して味付けするって凄い、という話です。
(ちなみに酸味は温度の影響をほとんど受けません)
動物園の象が「ホクホクの馬鈴薯チョーヤバイ(=美味)!!!!」
水族館のラッコが「焼いた蛤アチチ、うんめー!!!!」
なんて感じたりしないものかと、子供の頃は考えていました。
実際に飼育員の方に尋ねてみると
「焼くと硬くなるから動物の胃では消化できへん」
という至極納得する回答を頂いたのを覚えています。
食事は”誰”と”何処”で”何”を食べるかが大切です。
加えて”何℃”で食べるかが意外に重要、という話でもあります。
ダチョウ倶楽部さもありなん、おでんは熱いまま、ビシソワーズは冷たいうちに。
そう考えると食事は刹那の仕業と言えるのです。
熱いor冷たい料理の適温を逃さない為にも、味わって食べている場合ではないのです。(本末転倒)