1日目
まずは愚痴から始めるのもいいんじゃないか。
飛行機に乗りながらこう考えた
ふと右を見れば初老あり、
しからば左と、視線を移せば、やはり初老あり。
席に座ること2時間にして、座るに甲斐ある席と知った。
4時間座ればいよいよ辛く。6時間座れば尻が痛い。
座る尻が痛いからとて、越す席はあるまい。
あるはただトイレの便座のみである。
機内食は、食わねば惜しい。
存分食えば、食った後が苦しかろ。
飛行機に乗る際に、一番良い席はやはり通路側だろうか。
窓際の特権は、やはり景色か。
通路側の特権は、やはり便所だろ。
真ん中の特権は、肘掛けか・・・。
確かに窓際は、トイレも行きにくいし、FAに注文もしにくい。
しかし窓を向いてしまえば、そこはもう自分の世界。
己の視界から他人は完全に姿を消し、
眼前に広がる雲海を枕に、
エンジン音を子守唄にただ眠ればよい。
その点、真ん中は辛い。
いい所なんてないんじゃないのか。
もとい真ん中なんていらないんじゃないのか。
そんな真ん中の席に座ることしばしば
日本を出発してもう何時間か計算するのはめんどくさい。
細工は流々、仕上げをご覧あれ。