137日目
ピンと張りつめた空気。 布団から少し顔を出してみる。 冷たい空気が顔に降りかかって、まるで冷えた針が突き刺さってくるようだ。 再び布団にもぐりこむ。 布団の中だけが、体温でほのかに温かい。 時計を睨みつけて、勢いよく起き上がる。 寒さに反応して、反射的に体がこわばる。 白い息、かじかむ指。 フローリングの床は、さながらスケートリンクのようだ。 足の裏にトゲが刺さる。 窓から外を見る。 庭一面に霜が降りている。 バケツには薄氷が張っている。 大気は寒さを味方に付けて、そこに鎮座している。 霜を履んで堅氷至る。 これから厳しい冬がやってくる。 なんてひたすら考えても、目の前には灼熱の太陽。 現実逃避は、なかなか難しい。 ここは、トルコ。 ここは、アンタルヤ。 暑ー。痒ー。 |
常に人は現実の前にひれ伏すのだ。 |